12.長柄御霊神社

長柄御霊神社縁起
　　鎮座地　三浦郡葉山町長柄六六二番地
　　御祭神　大已責命（オオナムチノミコト）
　　　　　　御霊命（ゴリョウノミコト）

由緒　今より八百年余の昔、平安時代末、治承の頃(一一七七～一一八一)長江太郎義景(鎌倉権五郎景政三世孫)は、三浦氏の有力麾下として長江(現長柄)に館を構えた時、郷の平和と発展を希いその鎮護として御霊神社を勧進したと伝えられる。
新編相模風土記稿には「御霊社、村の鎮守なり」とあり、このことから古来よりこの長柄の地において深い崇敬を持たれた神社である。明治維新により村社に列せられ、その後神撰幣帛供進神社の査定を受け、その後神社本庁所属の神社となった。
現社殿は大正天皇御即位の大礼を記念して大正六年(一九一七)に再建された。因みに社号に関しては、社殿外部正面の扁額には「御霊神社と記されているが、社殿内部の扁額には「五霊大権現」と金文字にて記されており、創建や勧進に就いては諸説がある。

祭儀　新年祭・例大祭・新嘗祭・御奉射祭の四大祭礼が毎年厳かに挙行される。
特筆されるべき祭礼は御奉射祭であり。全国的にも珍しく「吾妻鏡に鶴岡八幡宮放生会に際し流鏑馬神事あり。」とある。その一番射手となる長江太郎義景の武威と剛毅な精神にあやかり、毎年その年に就学する児童(満六歳の男児)の勧学と剛健に育っことを祈請する初春吉例の弓射り神事として伝承されている。

由緒沿革　社伝によれば、三浦為通の勧請といい、また長江太郎義景の勧請ともいう。棟札に永正十四年(一五一七)丁丑正月十六日再建、の記事がみえる。
　『相模風土記』に「御霊社、村の鎮守なり……社領三石の御朱印は天正十九年(一五九一)十一月賜ふ。長運寺持」とある。
　明治維新神仏分離により長運寺の管理を脱し、明治六年十二月村社に列せられ、大正五年八月神饌幣帛料供進神社に指定された。

〇長柄村　○御靈社　村の鋲守なり、神躰木像長八寸、本地佛薬師を置く、例祭九月朔日社領三石の御朱印は天正十九年十一月賜う、長運寺持　按ずるに、長運寺を景政山と號し、且古此地佳人長江太郎義景は鎌倉權五郎景政三世の孫なりと云ふ、さては景政の靈を祀しなり、