3.9.12.桜道
1.はじめに
桜道と云いますが、本牧麦田から山手の尾根まで続く緩い坂道です。名称は、外国人遊歩道として整備された頃に桜並木が植栽されたからでしょう。それ以前の名称は定かでなく、桜並木の無くなった現在も桜道です。
山手の尾根から牛島坂(現牛坂)を下り、車橋で中村川を渡ると吉田新田です。新田を八丁畷で横切ると野毛浦(村)、戸部村から保土ヶ谷道に入る道筋は、本牧と東海道を結ぶ古道です。本牧一帯から保土ヶ谷宿の助郷などに赴く際に通る道筋です。 なお桜道と牛坂は、現山手町の南・西の境界になります。
新編武蔵国風土記稿(*1)に記録される久良岐郡本牧領は、現横浜市の中・西・南・磯子・港南区に及ぶ広範な地域です。が本牧領については別の機会に触れます。開港前の本牧は、東海道筋から外れた半農半漁の村として独自の世界があったように感じられます。 明治時代末、山手の下を貫通する山手隧道(現山手第二隧道)が完成すると、桜道は徐々に衰退します。
4.引用
1.「横濱の史跡と名勝」 栗原清一著 横浜郷土史研究会・昭和3年発行
国会図書館ディジタルアーカイブ インターネット公開（保護期間満了）
2.「Fudo at Negishi, Yokohama(Public Domain)」 Museum of Fine Arts Boston
3.「根岸の茶屋640」 Museum of Fine Arts Boston
4.「Mississippi Bay from the New Road(Public Domain)」 Museum of Fine Arts Boston
5.「Fudo at Negishi, Yokohama(Public Domain)」 Museum of Fine Arts Boston
（2025年8月19日制作）