3.7.24.五雲亭貞秀
1.作品紹介
1.1.「御開港横浜之全図(1860(万延元)年)部分」
横浜灣に沿った風景を描いた一覧図で、横180㎝余りの大画面です。この絵から往時の様子が多く伝わります。ここでは本牧台地・海に面した崖・元村(現元町)に注目します。それにしても「空飛ぶ浮世絵師」の面目躍如たるものがあります。
2.略歴(美術家人名事典より)
本名 ：橋本謙
別名等：俗称・兼二郎､号・玉蘭斎､別名・歌川貞秀
かな名：ごうんてい・さだひで
生没年：1807～1878年？、下総国(現千葉県)
幼い頃に、初代国貞に入門し、歌川貞秀を名乗る。天保3年（1832年）十返舎一九の合巻「義経越路松」などの挿絵を手掛ける。以後、合巻本の挿絵や、合戦絵を数多く描いた。その後、実地調査に基づく一覧図を手掛け、安政3年「万国地球分図」を作成。6年「東都両国、皇都祇園、浪速天満、三都涼之図」など、鳥瞰図法にはじめ歌川国芳、3代目豊国に学び、2代目芳鶴を名乗るが、のち豊原国周の門に入って周延と号した。美人画にすぐれ、特に大奥の風俗画を得意とした。明治12年外務省の命によって作画し、15年絵画共進会に出品して褒状を受けるなど、国周門下で最も優れていた。代表作に徳川大奥を描いた「千代田之大奥」「千代田之御表」、明治開化期の婦女風俗を描いた「真美人」シリーズなどの他、久保田彦作「鳥追阿松海上新話」、岡本起泉「沢村田之助曙草紙」の挿画などがある。晩年は古版画の摸写をしたという。
3.引用
1.「美術家人名事典」 日外アソシエーツ 2017年3月25日
2.「御開港横浜之全図」 五雲亭貞秀 1860 国立国会図書館請求記号・寄別8-4-1-3
（2025年5月28日制作）