3.7.22.浮世絵師・葛飾北斎
1.作品紹介
1.1.「賀奈川沖本杢之図(文化(1804～18)初年頃)」
画題の通り、本牧台地先端の切立つ崖を描いています。外国人がブラフと呼称した崖は、日本人にも知られていたことでしょう。
良く知られた「神奈川沖浪裏」はベロ藍で表現される大波にもてあそばれる三艘の小舟、遠景の富士山を除けば陸に関する情報はありません。それに先だって描かれた「賀奈川沖本杢之図」は画題からして本牧であり、海岸線の切立つ崖が主題です。開港を契機に来日した外国人がブラフと呼称した切立つ崖は、土地の人々や旧東海道を行く人々から良く知られていたことでしょう。
2.略歴(美術家人名事典より)
本名 ：橋本謙、
別名等：俗称・兼二郎､号・玉蘭斎､別名・歌川貞秀
かな名：ごうんてい・さだひで
生没年：1760～1849年、江戸・本所(現東京都)
記念館：北斎館(長野県小布施町)､
葛飾北斎美術館(島根県津和野町)、
すみだ北斎美術館(東京都墨田区)
勝川春章に入門して春朗という名で役者絵などを描き、その後、俵屋宗理を襲名して狂歌絵本や摺物も手がける。文化年間(1804～1818年）の前期には読本挿絵で知られるようになり、この頃に｢北斎漫画｣を版行．文政頃より本格的に風景版画に取り組み｢富嶽三十六景｣「諸国滝廻り｣などを制作して、ヨーロッパ後期印象派の画家たちにも影響を与えた．天保以降は､和漢の故事を題材とする肉筆画を主として、90歳で没するまで精力的に描き続けた。狩野派、琳派、土佐派、洋風画など様々な画法を学んだ点や自然を人物画の背景としてではなく題材として取り上げた点などで、画期的な存在であった。
2.引用
1.「美術家人名事典」 日外アソシエーツ 2017年3月25日
2.「神奈川沖浪裏」 葛飾北斎 Wikipedia
（2025年5月28日制作）