2.1.全体編：本牧台地全体
2.1.1.要点
2.1.1.本牧台地
本牧台地は、多摩丘陵が南下する途中で支脈を現東京湾に突出した本牧半島の主要部と云えます。江戸時代に北側の古大岡湾が湾口まで埋立てられて半島の様相は半滅します。
外国人遊歩道は、南側にまだ東京湾が広がる頃の話です。
明治時代初期、台地西側のくびれた弥八ヶ谷戸(現中村橋付近)の丘陵を切り下げ(*1)、その南北を開削して掘割川を完成します。この工事で出た土砂で吉田新田・南一つ目沼(現中区吉浜町一帯)を埋め立てます。
台地は、南側を流れる掘割川(*2)で多摩丘陵とは縁のない孤立しているように見えますが人工地形です。
台地西側を流れる中村川(*3)は吉田新田埋立でできたもの、堀川(*4)は砂嘴横浜を開削したもので、やはり人工地形です。
2.1.2.外国人遊歩道
外国人遊歩道は、本牧台地の尾根筋と根岸湾の海岸線をたどる周遊道です。関内居留地に居住する外国人は、居留地から本村(現元町)を通過、地蔵坂を上って周遊道に入ります
距離約10Km、高低差約50m、路上観察で多少ジグザグに歩いても半日あれば十分です。もう少し余裕をみるなら、JR石川町駅～JR根岸駅、JR根岸駅～JR石川町駅の二分割するのも良いでしょう。ほとんどの区間はバス路線に沿っていますので、適宜バス利用を組み込むのも良いでしょう。
遊歩道が造成されてから160年ほどが過ぎます、本牧通り周辺で失われる部分があるものの比較的良く残ります。道幅や舗装などの変化はあるでしょうが。
明治15年迅速測図と現在の地理院地図で道筋を比較すると、そのことが良く分かります。両者が多少離れる箇所は、複製迅速測図を利用していることや作図誤差があると思います。道筋の形が似ることで、そのように推測しています。
2.1.2.主要データ
1.起点 ：JR石川町駅
2.終点 ：JR石川町駅
3.距離 ：約10.2km
4.歩行時間 ：約４時間(時速2.5㎞として)
5.高低差 ：50m(最高：52m(不動坂上付近)、最低：2m(濡れ地蔵付近)
6.休憩場所 ：休憩は根岸森林公園、新本牧公園、山手公園
トイレは根岸森林公園、新本牧公園、山手公園
7.備考 ：起点をJR石川町駅にしていますが、周遊道なので起点は統合の良いところから。
2.1.3.案内図
2.1.4.見所
詳しくは「2.2.旧海岸編」「2.3.尾根道編」を参照願います。
この「外国人遊歩道をたどる」で言及しませんが、本牧台地南側の掘割川に沿ってたどると、明治時代初期の舟運などが知れて興味深いと思います。
引用
*1 「弥八が谷戸開削現場」 南区の歴史 南区の歴史発刊実行委員会 1976
*2 「外国人カメラマンが撮った幕末日本より中村川車橋付近」 F.ベアト 横浜開港資料館編
（2025年8月16日制作）