3.1.31_2.3.特色：地番
1.地番
地番は土地に染みつく無形の遺産です。山手町の地番は、居留地時代の明治初年の街路割りからほとんど変わりません。地番は複雑ですが、170年ほどの歴史があります。
地番を知るのは往時の地図です。例えば「The Japan Directory 1889」を携帯して町歩きできます。ところどころに残る敷地境界石、地番を刻んだ石柱が往時を実感させます。無形の遺産であることは、家やビルの門柱や塀などにブラフ何番とデザインされたプレートが掲げられていて、山手町の地番が大切にされていることが分かります。
2.付番
1867 (慶応 3)年、山手の居留地・ブラフに地番が付けられます。これ以降、数回にわたってブラフの土地が競売されます。1870年の時点で230番まで、公共用地を除く158区画が売り出されます。
おおまかには地蔵坂上の1～100番が山手本通り沿い、101～176番が谷戸坂（ワシン坂）通り沿い、201番以降は競売順です。
3.拡張
1875年に英仏両軍は撤退、英国陣営跡地および英国公使館跡地の分割とともに、英国公使館跡地裏手の南側谷戸を居留地に編入します。1890年頃に、ほぼブラフ全体が住宅地になります。なお明治初年以降の主な拡張は次のとおりです。
- (1) 116番地英国陣営跡地 → 234～239番地 明治５年頃
- (2) 北方村天沼 → 240番地 年代不詳
- (3) 120番地英国公使館跡地分割 → 241～245番地 明治８年
- (4) 116番地英国陣営跡地分割 → 246～261番地 明治12年４月貸渡
- (5) 北方村民有地編入 → 262～264番地 明治13年買上
- (6) 北方村民有地買上 → 265～269番地 明治18年買上
(2025年4月18日制作)