2.7.地域の特徴：旧神奈川宿青木町付近
2.7.1.青木橋
青木橋は横浜市神奈川区金港町に立地する跨線橋(陸橋)です。
明治３年、新橋・横浜間に日本最初の鉄道が計画された際、この付近の丘陵(現本覚寺・現幸ヶ谷公園間)を切通しを造成して通過させることになります。往時、本覚寺裏の丘陵部から、それより高いと云われた権現山(頂上部は削平され現幸が谷公園)は一続きでした。そこに深い切通しを造成したのですから大変な工事(*2)だったことでしょう。往時は単線ですから切通しの幅は現在のように広くはなかったでしょうが。
切通しを過ぎた海側に神奈川駅が建設されます。さらに海上に造成された汽車道の外れに、横浜駅(現桜木町駅)が建設されます。汽車道の両側に海が残ります(*2)。
現在、切通しをＪＲ東海道本線・横須賀線・京浜東北線および京浜急行電鉄線、いずれも複線、が通過しています。今見られる擁壁は昭和初期の造成のようですが、谷積みの石壁の連なりは石工たちの確かな技術を伝えてくれます。
切通しが旧東海道を分断する(*3)ために、両側を跨線橋で接続したのが青木橋、日本最初の跨線橋に他なりません。今は国道１号線(第２京浜国道)が通過しています。
2.7.1.幸ケ谷公園(権現山城址)
ブラフ積み擁壁
2.7.2.洲崎大神
2.7.3.普門寺
2.7.4.甚行寺(フランス公使館跡碑)
2.7.5.神奈川駅
2.7.6.参考
*1 「日本鉄道史」
*2 「神奈川の写真誌 明治前期」 金井円，石井光太郎／編 有隣堂 1970.5
*3 「地理院タイル」 https://maps.gsi.go.jp/development/ichiran.html
*1 「金川砂子」 武相考古会 昭和5年4月1日 国会図書館ディジタルコレクション
*2 「江戸名所図会(上)より洲崎明神」 評論社 1996年12月20日
(2020年8月26日制作)