1.3.17_4.51.大源太公園・検校道標

1.大源太公園(藤沢市片瀬360-12)

　大源太公園は江の島道に沿った児童公園で、一角に検校道標が設置されています。
　ここまで江の島道は南に向かって進んできましたが、この辺りで孤を描くようにして東に向かい、少し先の上山本橋で境川を渡ります。

2.昔の川筋

　境川右岸(西側)が鵠沼、左岸(東側)が片瀬と思っていました。皇国地誌にも『片瀬川　境川ノ下流ニシテ北ノ方、川名村ヨリ本村二入リ、高座郡鵠沼村トノ境間ヲ屈曲シテ同村卜分界ヲナシ』とあります。

　ところが公園付近の住所は、境川の右岸にも拘わらず片瀬町です。かつて鵠沼一帯は境川の氾濫原で、明治の頃までは公園付近で大きく蛇行して「川袋」とも云われました。その後、川筋が替えられたことにより、片瀬町の一部が川の左岸に取り残されたことになります。
　かつて片瀬は鎌倉郡でしたから、藤沢市に編入されていなければ境川右岸に鎌倉市の飛び地が残った可能性も有り得ます。まさに大鎌倉の痕跡と云えます。、

3.検校道標

　他所にある検校道標と変わっているところはありません。案内に『片瀬市民センター敷地内に設置されていましたが、片瀬地区地域まちづくり事業「江の島道の整備事業」として「江ノ島道」沿いの路傍にあるこの地に移設したものです』と記述されています。片瀬市民センター敷地内が本来の設置場所とは思えませんので、どこに設置されていたかは気になります。

4.引用

1.「神奈川県皇国地誌相模国鎌倉郡村誌」神奈川県図書館協会郷土資料編集委員会／編集 1991.1

(2022年7月1日制作)